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食品、飼料およびコンフェクショナリーアドバンストマテリアルズ
北海道、釧路港
5年前に釧路港に設置された当社のアンローダー「ポータリンク」は、日本最大となる年間荷上げ量によって、釧路港の荷役容量を大きく押し上げることとなりました。
北海道に位置する戦略的に重要な公共港湾である釧路港は、19世紀後半から運営されており、2011年には国際バルク戦略港湾に選定されました。
北海道地域は日本の食料供給において中心的な役割を果たしており、釧路港は重要な物流拠点として機能しています。日本の牛乳の約50%が北海道で生産されており、釧路で荷下ろしされる多くの穀物原料は地域の畜産農家や酪農家の飼料生産に使用されています。
2019年、港の荷役能力を増強する決定が下され、港湾管理者である釧路西港開発埠頭株式会社は、市場をリードする当社のポータリンクの納入を依頼されました。これは当社が日本で手がける初めてのアンローダーではありませんが、公共施設として提供された初の事例であり、非常に重要なプロジェクトとなりました。
過酷な環境条件下での困難な設置作業
ポータリンクの設置は、ビューラーのエンジニアたちの創意工夫を試されることとなりました。ただでさえ桟橋上でのポータリンクのような荷役機械の組み立ては困難なうえに、試運転作業は冬の厳寒期に行われました。これは、作業員が氷点下20度にも達する極寒へも対処しなければならないことを意味しました。
革新的な事前組立と輸送管理
その解決策は、中国でアンローダーを輸送可能なユニットに事前組立てし、船で釧路まで輸送のうえ、桟橋にて直接最終組立てを行うことでした。この物流上の挑戦はそれだけの価値があり、ポータリンクの導入により荷上げ施設の総荷役能力は毎時1,600トンまで増加しました。新しい埠頭との組み合わせにより、従来のように事前に荷を減らすことなく満載状態の船が初めて入港可能となりました。ポータリンクはまた、毎時800トンのトランシップ能力を持っており、これにより釧路をハブとして他の港へ穀物を輸送することが可能になりました。
高能力と先進的な機能
軌道走行式のポータリンクは、高い能力、優れたチェーンコンベア技術、低エネルギー消費により非常に魅力的な選択肢となりました。しかし、それだけでなく釧路港独自のニーズに合わせたカスタム機能と、当社の卓越したアフターサービスへの評価が、それをより魅力的な選択とした理由です。追加のジブクレーンにより、荷上げを中断することなく15トンの重機を船のハッチに直接吊り入れることができます。また、この地域は地震が懸念されるため、効果的な免震装置も装備されています。
国際的かつ効率的な協調体制によって誕生したポータリンクアンローダー
このプロジェクトは、国際協力を成功させることで生み出せる、大きな価値を証明するものでした。スイス、ドイツのビューラーのスタッフと、日本の現地のチームが力をあわせ、中国工場からも非常に大きな貢献を受け、釧路港関係者とも緊密な協力が行われました。
お客様のポータリンクへの評価は引き続き非常に高く、本アンローダーは日本市場において突出した荷役処理能力を提供しています。この成果によって、日本市場でのビューラーの評価は高まりました。ポータリンクの納入と設置が成功し、非常に効率的な運用が安定して行われていることで、現在ではビューラーは、すべての顧客の今と将来の両方のニーズを満たせる先進的なアンローダーのプロバイダーとして認識されるようになっています。
「2019年から、国際物流ターミナルの管理運営業務を民間埠頭運営事業者として担ってきており、弊社所有の荷役機械で荷上げするトウモロコシなどの穀物原料は、東北海道の酪農家の皆様へ供給する飼料となるものであり、安定した運営を第一に取り組んでいます。」
辻岡睦朗氏,,
釧路西港開発埠頭株式会社業務課長
「バルク穀物の荷役機械として、大型船舶に対応した荷役能力を有していることから、作業の効率化が図られており、大量の穀物の受入が可能となりました。また、トランシップ機能により、釧路港を拠点とした他港への輸送も可能になりました。」
岸本聡氏,
釧路西港開発埠頭株式会社 ビューラーアンローダーご担当者
「アンローダーは成功裏に納品され、運用上大きな課題もなく稼働しており、お客様の安定運用の要求に応え続けています。これらの事例を踏まえて、私たちのアンローダーは日本市場で強固な評価を確立し、ビューラーが現在および将来の顧客の要求に応える最も効率的で先進的なアンローダーを提供できると認められるようになりました。」
山内健次,
ビューラー株式会社 グレイン クオリティ&サプライ事業部 部長
buhler.japan@buhlergroup.com
ビューラー株式会社
〒222-0033
横浜市港北区新横浜3-22-11